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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 ウィーンの森 その1

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4日目の午後は、ミュー旅行社のオプショナルツアーを利用してウィーンの森半日観光に出かけました。6名の小人数の参加者であったため、マイクロバスでの移動になりました。

ウィーンの森は、ウィーンの北西から南にかけて広がるアルプス山脈の一番東に位置する丘陵地です。このうち北に位置するベートーベン縁のハイリゲンシュタットやワインの醸造所兼レストランのあるグリンツィングには、市内から路面電車を利用することができ、個人でも行きやすい地域になっています。それに反して、南西部にあるマイヤーリンクへは、交通の便が悪く、オプショナルツアーを利用する必要があります。

ウィーン周辺部の渋滞地帯を抜けると、車は丘の上へと高度を上げていきました。



途中で、リヒテンシュタイン城がちらりと見えました。独立国のリヒテンシュタイン公国として知られていますが、ここがリヒテンシュタイン家の発祥地です。



まずはゼーグロットを見学しました。ゼーグロットとは、洞穴の中にある湖という意味です。

元々は石膏鉱山で、約80人程の鉱夫が働いていたといいます。1912年に水脈に当たってしまい大量の水が流れ込んできてしまったため、閉山になってしまいました。1932年に観光用に利用することになって、足場の整備や配電設備が行われました。第2次世界大戦の末期には、ナチス軍によって、ジェットエンジンを搭載した飛行機の秘密工場として利用されました。

現在では、ウィーン近郊の観光地として人気が高いようです。



ゼーグロットの内部構造の案内図です。左の入り口から坑道内に進み、奥でもう一階分を下って地底湖に出ることになります。



最初は、狭い坑道が続きます。地面にはトロッコのレール跡は残されています。



製造された飛行機は、分解して外に運び出されたそうです。



昔の石灰採掘を再現した人形も展示されていました。



夏は肌寒いようですが、冬のために内部も外と気温は変わりませんでした。



坑道は、貧弱な木材で補強されている所もありました。日本だったら、地震による落盤の恐れということで、閉鎖でしょうね。



丘の上の建物から下りてくる地下ホールへの入り口がありました。



鉱山では馬も使われていたようですが、20年間も暗い中で作業するため、皆視力を失ってしまったといいます。



映画で使われた牢屋のセットが残されていました。この映画については、最後にまとめることにします。





坑道から地底湖を眺める場所がありました。ライトアップされて神秘的な眺めが広がっていました。



鉱夫たちが祈りをささげた祭壇。



飛行機の小さな模型が置かれていますが、ここで秘密裏に飛行機が造られたといいます。



なにやら作業機械も残されていました。



教会として使われていたスペースのようです。



いつの間にか、広い通路に変わってきました。



古い船が置かれていました。



ここで、階段を下ると地底湖が現れました。



地底湖でボートに乗りました。20人ほど乗れるボートですが、他に観光客はいないため貸切状態でした。夏のシーズンには乗船待ちの列もできるといいます。



地底湖には竜頭の船が浮かんでいますが、これも映画で使われたものです。



静まり返った水面をボートは進んでいきました。



地底湖の深さは、1~2m程で、現在でも排水を行って水位を調節しているようです。





水面が鏡のように風景を反射しているのが神秘的です。

10分弱で一周して、ボート乗船は終了しました。後は、来た道を戻ることになりました。



このゼーグロットで撮影された映画についてふれることにしましょう。

三銃士については、多くの映画が作られていますが、ここで撮影されたのは、1993年のウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作の映画です。映画としては、可もなく不可もなく、気楽に見ることのできるといったところです。

ちなみに、画面は最後近くの、ダルタニアンが銃士になった後の場面です。右から二番目がダルタニアンです。ダルタニアンは、題名の三銃士ではないのがおかしなところです。

三銃士は、アレクサンドル・デュマ・ペールの書いた全11巻に及ぶ「ダルタニアン物語」の中の初めの部分だけを取り上げて映画にすることが一般的になっています。「読まずに死ねるか」レベルの面白い小説なので、是非通読することをお勧めします。以前出版されていた講談社文庫版は絶版になって、復刊ドットコムで手に入れることができるようですが、高い値段になってしまいます。図書館で借りて読むのが、良いでしょう。



牢獄の場面。



映画の冒頭で、地下牢へと続く水路を進む竜頭のボート。

映画撮影終了時、これらのセットは撤去されるはずでしたが、ゼーグロットの持ち主が残すことを希望したとのことです。

ゼーグロットは興味深い所ではありますが、見所の多いウィーンでわざわざ訪れるほどのことはないように思います。オプショナルツアーに含まれているので、マイヤーリンクのついでにということになるでしょうね。

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