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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 ウィーン その18

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4日目の午後はマイヤーリンクへのオプショナルツアーに参加することにしました。一旦ホテルに戻ってひと休みし、夜のオペラ見物のためにスーツに着替えをし、集合場所がアルベルティーナ前であったため、地下鉄でKarlsplatzに向かいました。

時間が少しあったので、リンクの南に位置するセセッシオンを見ていくことにしました。

セセッシオンは、ウィーンの芸術家集団「分離派」が、自ら築いた展示館です。「金色のキャベツ」と呼ばれる月桂冠の葉をモチーフにしたドームがシンボルになっています。

クリムトのベートーベン・交響曲第9番をテーマにした「ベートーベンフリース」の連作壁画が展示されています。見たかったのですが、時間が足りませんでした。



その先に、アン・デア・ウィーン劇場があります。入り口はちょっと地味な感じです。



アン・デア・ウィーン劇場は、モーツァルトの「魔笛」の台本で成功したエマヌエル・シカネーダーが、1791年に皇帝の認可を受けて建築した劇場ですが、当時の建物部分は脇の通りに面した「パパゲーノ門」しか残されていません。

開館よりほどなくしてシカネーダーは破産して劇場を手放してしまいますが、保持していた皇帝の認可によって芸術監督の座を守り、ベートーヴェンを音楽監督として招聘しました。

第二次世界大戦後、 劇場は空襲の被害を受けたウィーン国立歌劇場の代替としての役割をしばらく担いましたが、後に改装されてミュージカル専用劇場として使われるようになりました。最近では再びオペラハウスとして復活しました。

アン・デア・ウィーン劇場での初演作品は、主なものでも以下のものがあります。

ベートーベン 交響曲第3番「英雄」、交響曲第5番「運命」、交響曲第6番「田園」、歌劇「フィデリオ」
シューベルト ロザムンデ
ヨハン・シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」、喜歌劇「ジムシー男爵」
レハール オペレッタ「メリー・ウィドウ」、オペレッタ「ルクセンブルク伯爵』
クンツェ ミュージカル「エリザベート」、ミュージカル「モーツァルト」

錚々たる作品が初演されています。特にミュージカル「エリザベート」は、この劇場での上演がDVD化されているので、エリザベート・ファンには必見の劇場といって良いでしょう。



アン・デア・ウィーン劇場の前には、ナッシュマルクトと呼ばれる市場が延びています。劇場名の「アン・デア・ウィーン」とは「ウィーン川に面した」という意味で、ナッシュマルクトのある場所には、ドナウ川の支流のウィーン川が流れていたことに由来します。

ナッシュマルクトは、ウィーンを代表する市場になっています。



ピクルスの店



チーズの店



ドライフルーツやナッツの店



Karlsplatzからアン・デア・ウィーン劇場に向かう途中の地下通路には、「MUSIK MEILE WIEN」と呼ばれる音楽家の星型プレートが埋め込まれていました。

先回のウィーン訪問時に、国立歌劇場前のプレートは気が付いていたのですが、他にも置かれていました。

指揮者クレンペラー。ドイツ音楽の大家ですね。



コルンゴルト。若くから才能を発揮し、「モーツァルトの再来」と呼ばれる程の神童ぶりであったといいます。現在では、オペラ「死の都」やヴァイオリン協奏曲が人気の作品になっていますが、アメリカに渡ってからハリウッド映画のために作曲した「シー・ホーク」や「ロビン・フッドの冒険」は、「スター・ウォーズ」といった人気作曲家として活躍しているジョン・ウィリアムズなどに大きな影響を与えました。



サリエリ。映画「アマデウス」では、天才モーツァルトの才能に嫉妬する作曲家として名前が広まりましたが、実際にはモーツァルトの才能を認め、モーツァルトの遺作「レクイエム」の初演も行っています。



モンテヴェルディ。ルネサンス音楽からバロック音楽への過渡期に活躍したイタリアの音楽家で、ウィーンとは直接は関係ないと思うのですが。



オッフェンバック。ドイツ生まれでフランスで活躍し、オペレッタの原型を造ったと言われています。「天国と地獄」中の「カンカン(ギャロップ)」は特に人気で、フランスのキャバレーのフレンチカンカンやレハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」で演奏されます。



ドヴォルザーク。チェコ国民楽派を代表する作曲家。



ランナー。ヨハン・シュトラウス1世と対決しつつワルツを磨き上げていった「ワルツの始祖」。



バーンスタイン。アメリカの作曲家・指揮者ですが、晩年はウィーン・フィルと組んで名演奏を残しました。

国立歌劇場前のプレートは、以下に載せてあります。

2011年に見た国立歌劇場前のプレート

先回カラヤンのプレートが無いと書きましたが、歌劇場前のケルントナーリンク通りを渡った反対側の歩道にあるようです。次回という機会があるならば、下調べをしてから出かけたいと思っています。

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