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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 ウィーン その1

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ウィーン旅行の二日目は、王宮を中心とした旧市街地の見学を行うことにしました。

まずは、ホテルを出てからリンク沿いに歩き、ブルク公園に向かいました。

春から秋にかけてはト音記号の花壇で飾られたモーツァルト像も、冬枯れの中で寒々としていました。



ここで見たかったのは、フランツ・ヨーゼフ1世皇帝の像でした。

フランツ・ヨーゼフ1世は、18才の若さで皇帝に即位し、68年に及ぶ長い在位と、国民からの絶大な敬愛から晩年はオーストリア帝国(オーストリア=ハンガリー帝国)の「国父」とも称され、しばしばオーストリア帝国の実質的な「最後の」皇帝と呼ばれています。皇后は美貌で知られるエリーザベト(シシー)です。

エリーザベトが肖像画などで若い姿で描かれるのに対し、フランツ・ヨーゼフ1世はこの像に代表される年老いた姿で現されることが多いようです。エリーザベトの現在の人気に反して、フランツ・ヨーゼフ1世は不幸であった結婚の相手方という扱い方で、この像もガイドブックには掲載されていない不遇の扱いで、ネットの情報で知ることができました。



フランツ・ヨーゼフ1世が見つめる先には、アウグスティーナ教会の尖塔が見えています。

続けてアウグスティーナ教会に向かいました。



1854年4月、黄昏時のアウグスティーナ教会にて、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世はエリザベートと結婚しました。



栄華を誇るハプスブルグ家の皇帝の結婚式を行う教会としては、質素な造りで、陰気な感じがぬぐえません。

14世紀前半に宮廷付属の教会として造られ、マリア・テレジアとフランツ1世、マリー・アントワネットとルイ16世(代理人)、マリー・ルイーズとナポレオン(代理人)の結婚式もここで行われています。



アウグスティーナ教会の主祭壇。

地下には、ハプスブルグ家の心臓安置所も設けられ、ミュージカル「エリザベート」の結婚式の場面のように、こここにはトート(死神)の影が垂れ込めている感じがします。



堂内には、マリア・テレジアの娘のマリー・クリスティーナの墓碑が置かれています。



アウグスティーナ教会を出て、王宮に向かう途中、ヨーゼフ2世像の置かれたヨーゼフ広場に出ました。背後は、国立図書館プルンクザール。午後に見学することになりました。



ヨーゼフ2世は、神聖ローマ皇帝フランツ1世とマリア・テレジアの長男で、マリー・アントワネットの兄にあたります。啓蒙専制君主の代表的人物で、富国強兵・王権強化を図りましたが、フラス革命が激化する中で病死しました。

なお、モーツァルトは、このフランツ1世に宮廷音楽家として仕え、映画「アマデウス」でもご機嫌取りに苦労する様子が描かれています。なお、モーツァルトの墓が判らなくなったのも、ヨーゼフ1世の葬儀簡素令のためであるようです。



このヨーゼフ広場に面して、パラヴィッチーニ宮があります。

ここは、映画「第三の男」で、ハリー・ライムの家として使われています。



このアパートの前でハリー・ライムは自動車に引かれ、ヨーゼフ2世の象の下に運ばれましたが、そこには第三の男がいたというのが、物語の発端になっています。



ビデオよりハリー・ライムの家の場面。



「第三の男」の代表的場面も出しておきましょう。

プラターの大観覧車の場面。

以前訪問したプラターの大観覧車



中央墓地での最後の場面。

以前訪問した中央墓地

見所の多いウィーンのため、しばしば足が止まってしまいます。

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