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Channel: さすらい人の独り言
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ミュシャ展

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東京と違って、展覧会開催状況には不満足なところもある新潟ですが、それでも時々は興味深いものが開催されます。

ミュシャ展が2013年6月1日から8月11日の期間、新潟県立万代島美術館で開催されているので、見学してきました。

東京、新潟、松山、仙台、札幌で開催されるとのことですが、金曜の午後の新潟会場では、絵に向き合うのに不自由しない空いた状態でした。

ポスターや公式プログラムの表紙には、ミュシャの一般的イメージである女性の甘美な姿を描いた「夢想」が使われています。



作品数は多く、リトグラフや油絵、スケッチ、パッケージなど多彩に渡っていました。

出世作の「ジスモンダ」。

1894年のクリスマスの夜のこと。サラ・ベルナールの芝居の広告を元日に張り出すため、デザイナーが探されましたが、クリスマス休暇で皆不在でした。たまたま連絡のついたポスター未経験のミュシャに仕事がまわってきて、このポスターが作られました。ポスターはパリで大人気となり、盗まれる物が続出したとのことです。ミュシャのポスターはサラ・ベルナールにも気に入られて、その後6年にわたって仕事を共にすることになりました。

プラハのムハ美術館では、印刷した状態のままの「ジスモンダ」が展示してあって、長細のポスターは、紙を二枚張ってあることが判りました。印刷屋が、長い紙を持っていなかったか、大判の印刷技術が無かったのでしょうね。

プラハのムハ美術館(母国のチェコでは、ミュシャよりもムハと呼んだ方が、作品の変化もあってふさわしいですね)の展示物と合わせると、より深くミュシャ(ムハ)を理解することができます。

ムハ美術館はこちら



有名な宝石シリーズや四季シリーズなども展示されていましたが、興味を持ってみたのは、習作と完成品が共に展示されている「四芸術」シリーズでした。

これは、「四芸術:音楽」の習作



「四芸術:音楽」の完成品。習作では裸で描かれていた女性に服が描かれています。



「ショコラ・イデアル」

商業広告のためのポスターも展示されていました。



油絵も多く展示されていましたが、この「ヤロスラヴァの肖像」はひと際目を引きました。ミュシャの油絵の女性は、目力がこもって、なにかを訴えかけてくるかのように見えます。



今回の展覧会では、ミュシャが晩年精力を注ぎ込んだ「スラブ叙事詩」の習作やスケッチが多く展示されていました。

これは、「スラブ叙事詩 第9番クジージュキの集会」の下半分の下絵。

この下半分だけでも293×260cmの大きさで、「スラブ叙事詩」の展示場が無くて、長らく梱包状態であったことが判ります。現在、ヴェレトルジュニー宮殿で全作品が展示されているとのことですが、それも2013年9月までともいいます。会場では「スラブ叙事詩」をスライドを流していましたが、自分の眼でみることは難しいかもしれませんね。



プラハでのムハの作品としては、市民会館の市長の間の装飾が思い出されます。その習作も展示されていました。アールヌーボーの室内装飾も合い間って、美しい空間を作り上げていました。今回の展覧会では、ムハの室内装飾が抜けていたのは残念です。

市民会館の市長の間はこちら



また、聖ヴィート教会のステンドグラスの下絵も展示されており、興味深く見ました。

聖ヴィート教会はこちら

ミュシャ(ムハ)の作品を見ていると、またプラハに出かけたくなりました。

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