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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 ワルシャワ その4

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王宮広場からクラクフ郊外通りを南に進んでいきます。



ロマン主義の詩人で愛国者のアダム・ミツキエヴィッチ像。1898年に、彼の生誕100周年を記念して建てられました。



カルメロ教会。





大統領官邸 (ラジヴィウ宮殿)。17世紀に建てられたこの宮殿は、1994年より大統領官邸となり「大統領宮殿」と呼ばれています。

1818年2月24日、8才のショパンは、初めて大衆の前で演奏し、宮殿に集まった聴衆を魅了し、その後演奏会に招かれるようになりました。



中央には、1965年に作られたユゼフ・ポニャトフスキ公爵の銅像が置かれています。





ワルシャワでもっとも歴史を持つ最高級ホテルのブリストル・ワルシャワ。ポーランドの歴史の舞台になってきましたが、有名なピアニストで政治家のイグナツィ・ヤン・パデレフスキが創設したホテルとして注目したいと思います。

パデレフスキは、国際的ピアニストとして活躍しましたが、第1次世界大戦後に発足したポーランド第二共和国の第3代首相兼外相を務めました。一旦は政治活動から引退してピアニスト活動に戻りますが、ポーランド祖国防衛戦争の後には国政に復帰し、ポーランド亡命政府の指導者になりました。すでに80歳になっていましたが、財源確保のために何度も演奏活動を行ない、演奏旅行の最中ニューヨークで客死しました。亡骸はアーリントン国立墓地に葬られましたが、その後、遺灰がワルシャワ聖ヨハネ聖堂の地下霊廟に埋葬されました。



パデレフスキの演奏は、CDで聞くことができます。二枚組のうち、ショパンの演奏がほとんどを占めています。時代物の演奏なのでノイズは大きいですが、オーソドックな演奏で、ショパンの曲を楽しむには充分です。楽譜の「パデレフスキ版ショパン全集」は、ショパン演奏のスタンダード・ヴァージョンとして日本のみならず世界中のピアニストに最も愛され、広く使われているといいます。また、作曲した作品としては、あまり演奏はされませんが、「パデレフスキのメヌエット」が良く知られています。

ブリストル・ワルシャワを見たならば、前世紀末から今世紀にかけての最大のピアノ奏者の一人ともいわれるパデレフスキを思い出しましょう。



ヴィジトキ教会。



ヴィジトキ教会では、ワルシャワ高等学校の生徒のための課業ミサが日曜ごとに行われていました。ショパンは、頻繁にここでオルガンを弾いて、そのミサで独唱していた初恋の相手のコンスタンツィアに会っていました。



教会のオルガンは、残念ながら修理中のようで、写真が飾られていました。



代わりに小さなオルガンが置かれ、準備のために曲を弾いていました。



ワルシャワ大学の入口。



ポーランド科学アカデミーの建物は工事中でした。



その前には、コペルニク像が置かれています。



コペルニク像の道を挟んだ斜め向かいに、バロック様式の聖十字架教会があります。





入口の上には、十字架を担いだキリストの像が置かれています。



聖十字架教会の内部。荘厳な雰囲気です。



聖十字架教会でのみどころは、ショパンの心臓を収めた柱です。



1830年、音楽家として世界で活躍するため、20才でウィーンに旅立ちますが、その直後、ワルシャワで11月蜂起が起きます。ショパンは、ポーランドへの望郷の念を常に持ちながらも、二度と母国に戻ることはできませんでした。これは、蜂起メンバーと関係があり、蜂起失敗後、ロシアの追求を恐れてのことと言われています。パリで演奏家としての成功をおさめ、ジョルジュサンドと関係を持ったなかで多くの作品を生み出します。しかし、39才の若さで、パリにて亡くなってしまいました。



ショパンは、「体は戻れなくとも、せめて心臓だけでも持ち帰って欲しい」と遺言に残しました。その言葉に従って、死後、心臓はワルシャワに運ばれ、聖十字架教会のこの柱の中に収められました。



聖十字架教会にも立派なパイプオルガンが設けてありました。



聖十字架教会の見学後、バスに戻って移動し、ワルシャワの南部にあるワジェンキ公園を訪れました。

ここには、ショパンの像が置かれており、夏にはピアノの野外演奏が行われます。



柳の木の下に座り故郷の自然を眺めるショパンが表現されています。ショパン誕生100周年を記念して1909年に設計されましたが、第一次大戦の勃発と像の設計に関する議論のため、設置は1926年に遅れました。また、第二次大戦では、ドイツ軍は、最初にこの像を破壊したといいます。

これでツアーのワルシャワ観光は終わりになり、ホテルに向かいました。

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