シヴァ聖堂にはラーマーヤナ物語のレリーフが飾られており、これはブラフマー聖堂のレリーフに続きます。
レリーフの全部を撮影できませんでしたが、物語に沿って説明していきましょう。
【子供のいないダシャラタ王は盛大な祭を催し、王子誕生を祈願した。おりしも世界はラークシャサ(羅刹)の王ラーヴァナの脅威に苦しめられていたため、ヴィシュヌ神はラーヴァナ討伐のためダシャラタ王の王子として生まれることとなった。こうしてカウサリヤー妃からラーマ王子、カイケーイー妃からバラタ王子、スミトラー妃からラクシュマナとシャトルグナの二子の王子がそれぞれ生まれた。】
「女魔タータカーを殺すラーマ」
成人したラーマは、ラクシュマナと共に門出の旅に出て、女魔タータカーらを殺した。
「聖者ヴィシュヴァーミトラの訪問」
成長したラーマは聖者ヴィシュヴァーミトラのお供をしてミティラーのジャナカ王を訪問した。
「弓技にてシータを得る」
ラーマはそこで王の娘シーターと出会い、結婚した。
「第2王妃が即位の約束を迫る」
【ダシャラタ王の2王妃カイケーイーにはマンタラーという侍女がいた。ラーマの即位を知ったマンタラーは妃にラーマ王子への猜疑心を起こさせ、ダシャラタ王にラーマをダンダカの森に追放し、バラタ王子の即位を願うように説得した(ダシャラタ王はカイケーイー妃にどんな願いでも2つまで叶えることを約束したことがあった)。】
「妻と弟を連れて都を去るラーマ」
【ラーマはこの願いを快く受け入れ、シーター、ラクシュマナを伴って王宮を出た。しかしダシャラタ王は悲しみのあまり絶命してしまった。】
【ダンダカの森にやってきたラーマは鳥王ジャターユと親交を結んだ。またラーマは森を徘徊していたラークシャサを追い払った。ところがシュールパナカーはこれをうらみ、兄であるラークシャサ王ラーヴァナにシーターを奪うようにそそのかした。そこでラーヴァナは魔術師マーリーチャに美しい黄金色の鹿に化けさせ、シーターの周りで戯れさせた。シーターはこれを見て驚き、ラーマとラクシュマナに捕らえるようせがんだ。そしてラーヴァナは2人がシーターのそばを離れた隙にシーターをさらって逃げた。このとき鳥王ジャターユが止めに入ったが、ラーヴァナに倒された。】
「黄金の鹿を射るラーマ」
「ラーヴァナにさらわれるシータ」
「鳥王ジャターユとラーヴァナの戦い」
「鹿に化けた魔術師マーリーチャを殺すラーマ」
【ラーマはリシュヤムーカ山を訪れて、ヴァナラ族のスグリーヴァと親交を結んだ。ラーマは王国を追われたスグリーヴァのために猿王ヴァーリンを倒した。スグリーヴァはラーマの恩に報いるため、各地の猿を召集し、全世界にシーターの捜索隊を派遣した。その中で、南に向かったアンガダ、ハヌマーンの1隊はサムパーティからシーターの居場所が南海中のランカー(島のこと。セイロン島とされる)であることを教わる。】
なお、セイロンの現在の国名のスリランカは、スリ(光り輝く)ランカ島という意味を持っています。
「猿王ヴァーリンを射るラーマ」 スグリーヴァとバーリンの戦い。左に弓を射るラーマ。
【風神ヴァーユの子であるハヌマーンは、海岸から跳躍してランカーに渡り、シーターを発見する。ハヌマーンは自分がラーマの使者である証を見せ、やがてラーマが猿の軍勢を率いて救出にやってくるであろうと告げた。ハヌマーンはラークシャサらに発見され、インドラジットに捕らえられたが、自ら束縛を解き、ランカーの都市を炎上させて帰還した。】
「ハヌマーンのラーマへの報告」
「ランカ島へ攻め入るラーマと猿軍」
これ以降は、ブラフマー聖堂のレリーフになります。
【ランカーではラーヴァナの弟のヴィビーシャナがシーターを返還するよう主張したが聞き入られなかったため、ラーマ軍に投降した。ここにラーマとラーヴァナとの間に大戦争が起きた。猿軍はラーヴァナの息子のインドラジットによって大きな被害を受けながらも次第にラークシャサ軍を圧倒していき、インドラジットが倒された後、ラーヴァナもラーマによって討たれた。ラーマはヴィビーシャナをランカーの王とし、シーターとともにアヨーディヤに帰還した。】
「ランカ島上陸後の戦い」
「ラーマの出陣」
「ラーヴァナの弟クンバカルナの死」
「悪魔王ラーヴァナの死」
【ラーマの即位後、人々の間ではラーヴァナに捕らわれていたシーターの貞潔についての疑いが噂された。それを知ったラーマは苦しんで、シーターを王宮より追放した。シーターは聖者ヴァールミーキのもとで暮すこととなり、そこでラーマの双子クシャとラヴァを生んだ。後にラーマは、シーターに対して、シーター自身の貞潔の証明を申し入れた。シーターは大地に向かって訴え、貞潔ならば大地が自分を受け入れるよう願った。すると大地が割れて女神グラニーが現れ、 シーターの貞潔を認め、シーターは大地の中に消えていった。嘆き悲しむラ
ーマは、王位をクシャとラヴァに譲り,天界に昇ってヴィシュヌ神に戻った.】
「双子を生むシータ」
「聖者ヴァールミーキがラーマーヤナを双子に語る」
レリーフの説明は、推測で補っているところもあり、誤っているかもしれません。
ラーマーヤナの物語を知ったのは、高校の時の世界史の受験勉強でした。受験勉強のためには、ヒンドゥー教に関係した物語として題名だけ覚えておけばよかったのですが、実際に本を読んでその面白さに引き付けられました。まさか、その当時は、海外旅行に出かけ、その物語に基づいた遺跡を見物するとは思ってもいませんでした。
現在、このラーマーヤナの翻訳本は幾つか出てはいますので、西遊記に似た所もある物語なので、ぜひ読んでください。
レリーフの全部を撮影できませんでしたが、物語に沿って説明していきましょう。
【子供のいないダシャラタ王は盛大な祭を催し、王子誕生を祈願した。おりしも世界はラークシャサ(羅刹)の王ラーヴァナの脅威に苦しめられていたため、ヴィシュヌ神はラーヴァナ討伐のためダシャラタ王の王子として生まれることとなった。こうしてカウサリヤー妃からラーマ王子、カイケーイー妃からバラタ王子、スミトラー妃からラクシュマナとシャトルグナの二子の王子がそれぞれ生まれた。】
「女魔タータカーを殺すラーマ」
成人したラーマは、ラクシュマナと共に門出の旅に出て、女魔タータカーらを殺した。
「聖者ヴィシュヴァーミトラの訪問」
成長したラーマは聖者ヴィシュヴァーミトラのお供をしてミティラーのジャナカ王を訪問した。
「弓技にてシータを得る」
ラーマはそこで王の娘シーターと出会い、結婚した。
「第2王妃が即位の約束を迫る」
【ダシャラタ王の2王妃カイケーイーにはマンタラーという侍女がいた。ラーマの即位を知ったマンタラーは妃にラーマ王子への猜疑心を起こさせ、ダシャラタ王にラーマをダンダカの森に追放し、バラタ王子の即位を願うように説得した(ダシャラタ王はカイケーイー妃にどんな願いでも2つまで叶えることを約束したことがあった)。】
「妻と弟を連れて都を去るラーマ」
【ラーマはこの願いを快く受け入れ、シーター、ラクシュマナを伴って王宮を出た。しかしダシャラタ王は悲しみのあまり絶命してしまった。】
【ダンダカの森にやってきたラーマは鳥王ジャターユと親交を結んだ。またラーマは森を徘徊していたラークシャサを追い払った。ところがシュールパナカーはこれをうらみ、兄であるラークシャサ王ラーヴァナにシーターを奪うようにそそのかした。そこでラーヴァナは魔術師マーリーチャに美しい黄金色の鹿に化けさせ、シーターの周りで戯れさせた。シーターはこれを見て驚き、ラーマとラクシュマナに捕らえるようせがんだ。そしてラーヴァナは2人がシーターのそばを離れた隙にシーターをさらって逃げた。このとき鳥王ジャターユが止めに入ったが、ラーヴァナに倒された。】
「黄金の鹿を射るラーマ」
「ラーヴァナにさらわれるシータ」
「鳥王ジャターユとラーヴァナの戦い」
「鹿に化けた魔術師マーリーチャを殺すラーマ」
【ラーマはリシュヤムーカ山を訪れて、ヴァナラ族のスグリーヴァと親交を結んだ。ラーマは王国を追われたスグリーヴァのために猿王ヴァーリンを倒した。スグリーヴァはラーマの恩に報いるため、各地の猿を召集し、全世界にシーターの捜索隊を派遣した。その中で、南に向かったアンガダ、ハヌマーンの1隊はサムパーティからシーターの居場所が南海中のランカー(島のこと。セイロン島とされる)であることを教わる。】
なお、セイロンの現在の国名のスリランカは、スリ(光り輝く)ランカ島という意味を持っています。
「猿王ヴァーリンを射るラーマ」 スグリーヴァとバーリンの戦い。左に弓を射るラーマ。
【風神ヴァーユの子であるハヌマーンは、海岸から跳躍してランカーに渡り、シーターを発見する。ハヌマーンは自分がラーマの使者である証を見せ、やがてラーマが猿の軍勢を率いて救出にやってくるであろうと告げた。ハヌマーンはラークシャサらに発見され、インドラジットに捕らえられたが、自ら束縛を解き、ランカーの都市を炎上させて帰還した。】
「ハヌマーンのラーマへの報告」
「ランカ島へ攻め入るラーマと猿軍」
これ以降は、ブラフマー聖堂のレリーフになります。
【ランカーではラーヴァナの弟のヴィビーシャナがシーターを返還するよう主張したが聞き入られなかったため、ラーマ軍に投降した。ここにラーマとラーヴァナとの間に大戦争が起きた。猿軍はラーヴァナの息子のインドラジットによって大きな被害を受けながらも次第にラークシャサ軍を圧倒していき、インドラジットが倒された後、ラーヴァナもラーマによって討たれた。ラーマはヴィビーシャナをランカーの王とし、シーターとともにアヨーディヤに帰還した。】
「ランカ島上陸後の戦い」
「ラーマの出陣」
「ラーヴァナの弟クンバカルナの死」
「悪魔王ラーヴァナの死」
【ラーマの即位後、人々の間ではラーヴァナに捕らわれていたシーターの貞潔についての疑いが噂された。それを知ったラーマは苦しんで、シーターを王宮より追放した。シーターは聖者ヴァールミーキのもとで暮すこととなり、そこでラーマの双子クシャとラヴァを生んだ。後にラーマは、シーターに対して、シーター自身の貞潔の証明を申し入れた。シーターは大地に向かって訴え、貞潔ならば大地が自分を受け入れるよう願った。すると大地が割れて女神グラニーが現れ、 シーターの貞潔を認め、シーターは大地の中に消えていった。嘆き悲しむラ
ーマは、王位をクシャとラヴァに譲り,天界に昇ってヴィシュヌ神に戻った.】
「双子を生むシータ」
「聖者ヴァールミーキがラーマーヤナを双子に語る」
レリーフの説明は、推測で補っているところもあり、誤っているかもしれません。
ラーマーヤナの物語を知ったのは、高校の時の世界史の受験勉強でした。受験勉強のためには、ヒンドゥー教に関係した物語として題名だけ覚えておけばよかったのですが、実際に本を読んでその面白さに引き付けられました。まさか、その当時は、海外旅行に出かけ、その物語に基づいた遺跡を見物するとは思ってもいませんでした。
現在、このラーマーヤナの翻訳本は幾つか出てはいますので、西遊記に似た所もある物語なので、ぜひ読んでください。