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さすらいの風景 ロロジョングラン寺院 その2

それでは、遺跡の中心になるヒンドゥー教の三大神の聖堂を順に見ていきましょう。

向かって左にブラフマー聖堂。高さは、23m。

ブラフマーは創造神ですが、独自の神話を持たないことから現在では人気が低くなっています。

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中央にシヴァ聖堂。高さは47m。

シヴァは、世界の寿命が尽きた時、世界を破壊して次の世界創造に備える役目をします。シヴァは、本来は破壊神ですが、民間信仰によって様々な性格が付け加えられて、一般的な人気を集めています。

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右にヴィシュヌ聖堂。ブ高さは、ラフマー聖堂と同じ23m。

ヴィシュヌは世界の維持・繁栄をはかります。ヴィシュヌは、「アヴァターラ」と呼ばれる十の姿に変身して地上に現れたといいます。叙事詩『ラーマーヤナ』の英雄のラーマや、叙事詩『マハーバーラタ』の英雄クリシュナは、ヴィシュヌ神の化身のひとつとされ、この神の人気のほどが判ります。

これらの三つの聖堂は、ほぼ同じ形をしているため、写真を後で見返した時、どれがどれか判らなくなってきます。

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まずは、シヴァ聖堂から見学しました。天に向かって突き上げるような感じです。

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入口の上には魔除けのカーラ像が置かれていました。

カーラは、底なしの大喰らいで、ある時、シヴァ神に体を食べさせてくれといいます。あきれたシヴァ神は、それなら自分を食べれば良いだろと言います。良いことを聞いたと、カーラは、自分の体を食べていき、頭だけが残りました。

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入口の階段脇には、カ-ラとセットになるマカラ像が置かれていました。

マカラは、水の神ヴァルナ神の乗り物とされ、象のような鼻、とぐろ巻く尾を持ち、水を操る力を持つとされています。

プランバナン遺跡は、アンコール・ワット遺跡と同じように、ヒンドゥー神話に基づく飾り付けが施されています。

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壁面の獅子の飾り付け。

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獅子の両脇のレリーフは、天界に咲く吉祥の樹木カルパタールと、その下に金を入れた袋と半人半鳥のキンナラ、キンナリー。

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天人を描いたレリーフ。

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ドラムを演奏しています。

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堂内は暗く、明るい外から入ると目も効かず、ライトの灯りが必要になりました。

道内に入ると、シヴァ神像が置かれていました。高さ3m、四本の手を持ち、後ろの二本の手には払子と数珠を持っています。

六代目の王ラカイ・ピカタンの死後、その遺骨は王の肖像ともされるシヴァ神像の真下に埋められ、シヴァ聖堂は王の霊を祀った霊廟になっています。

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シヴァ像の台は、リンガと対になるヨーニ(女陰)の形になっていました。

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シヴァ聖堂には、四面に部屋が設けられて、四体の像が置かれています。

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回廊を回って、各像を見ていきました。

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南面の小部屋に置かれたアガスティヤ像。

南インドの聖仙たちの長とされ、ラーマーヤナの中でも、ラーマに黄金弓ブラフマダッタを授ける協力者として登場します。

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西面の小部屋に置かれたガネーシャ像。

シヴァとパールヴァティーの間に生まれた長男で、太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもちます。富の神様として人気が高く、この像も触られて黒光りしているところがあります。

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北面の小部屋に置かれたドゥルガー女神像。水牛の上に乗っていますが、これは悪魔マヒシャが変身した姿で、左手は悪魔の髪の毛をつかんでおり、その悪魔を殺す姿が描かれています。

この女神には、一つの伝説が残されています。

魔法使いの父親を持つバンドン・ボンドゥウォソという男がいた。ある時、この男は地方の王から、プランバナン一帯を治める大王プラブ・ボコを殺害するよう頼まれた。男は、魔法使いの父の助けを借りて殺害に成功し、プランバナン一帯の王の地位についた。殺された王には、ロロジョングランという美しい娘がいたが、バンドンは妻とすべく言い寄った。父の仇と結婚したいはずもなく、娘は、「もし一日で千体の神像を作れるなら結婚しましょう」と難題を出した。男は精霊の助けを借りて、朝になるまでにと像を作り始めた。完成も近くなったところで、ロロジョングランも一計を案じ、一番鶏を早めに鳴かせることにした。精霊は朝になったと勘違いして消え去り、結局、神像は九百九十九体までしか作られなかった。この妨害がロロジョングランの仕業と知ると、バンドンは怒って娘を石に変えてしまった。このドゥルガー女神像が、ロロジョングランの石に変わった姿と言われており、この遺跡の名前にもなっています。

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壁面に置かれた像も見ごたえがあります。

中央の像は、方位神ローカパーラ。ローカパーラは、4方位または8方位のそれぞれを守る神の総称です。経典によっても異なってきますが、一例としては、東はアグニ、南はインドラ、西はヴァルナ、北はソーマという神が担当します。


両脇には天女アプサラス。

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天女アプサラスは様々な表情を見せています。

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他の方位神ローカパーラ。

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これらの像は、ジャワ美術にみるローカパーラの最高傑作といわれています。

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壁面の所々にもカーラ像が置かれていました。

シヴァ聖堂では、この他の見どころとしてラーマーヤナ物語のレリーフがありますが、それは別項目にて。

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