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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 セビーリャ その3

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アルカサルに入ると、イスラム建築の世界が広がります。この宮殿の建築を命じたペドロ1世は、イスラム文化に心酔して、アラブ風の衣装をまとい、宮廷内ではアラビア語を使うよう命じたといいます。



これは、人形のパティオ。ペドロ1世の家族がここで遊んだというプライベートな中庭です。



天井の明かり取りから光が差し込んでいます。上階は、19世紀に付け加えられました。



アーチに取り付けられた漆喰の浮彫が見事です。



このパティオの名前は、王の家族がここで人形遊びをしたことからとか、アーチの下部の漆喰の浮彫の中に人形の頭が隠されているからといいます。



他の部屋への入り口は、イスラム風のアーチで飾られています。



壁の腰板部は、タイル模様で飾られていますが、これはアルハンブラ宮殿で見られるのと同じようなデザインになっています。



続いて「大使の間」。ここでは、諸外国の大使との謁見やレセプションが行われました。1526年には、神聖ローマ皇帝でもあるカルロス1世の結婚式も行われています。




アルハンブラ宮殿の「大使の間」に比べれば小ぶりですが、一面に施された装飾は目を奪われます。



天井の丸天井部には、木工細工が施されています。イスラム建築では、ムカルナスと呼ばれる鍾乳石飾りが施されることが多いのですが、そのバリエーションになっています。



丸天井の基部には、歴代の王様と思われる肖像画が飾られています。



このような肖像画は、イスラム建築では禁止事項になっています。



また、三連アーチの上部には、孔雀の装飾が施されています。



動物を描くこともイスラム建築では、禁止事項になっています。



建物の細部まで細かい装飾が施されており、建築のために招かれたアラブ技術者の高い技術力がうかがわれます。

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