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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 タリン その9

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タリンの旧市街地の北のはずれ近くにある聖オレフ教会の下に出ました。

13世紀半ばの記録に残る、ノルウェ-の聖人王を祀った教会です。熱心なカトリック信徒であり、その治世のほとんどを王国のカトリック教化に務めたノルウェー国王オーラヴ2世のことだろうと思います。

雷で何度も焼け落ち、1840年に現在の姿になりました。

124mの高さの塔は、旧市街地で一番の高さになっています。15世紀の塔は、159mの当時は世界一高い塔といわれていたようです。



塔に登ることにしました。長い階段が続きますが、螺旋階段は幅があり、両脇にロープが下がっているため、歩きやすくなっていました。大聖堂よりは一般向きでした。



旧市街の中心になる南方向の眺め。

塔の上からは、高度感のある眺めが広がっていました。



左から聖ニコラウス教会、アレクサンドル・ネフスキー教会、大聖堂。



ライ通りが続くのを眺めることができます。



中央は旧市庁舎の塔、右手前は聖霊教会。



北の港方面の眺め。



北の町外れにある太っちょマルガレータが見えています。



北西の城壁。



聖オレフ教会では、塔の上へ登る観光客は大勢いましたが、堂内を見学している者はあまりいませんでした。



この教会でも立派なパイプオルガンが設けられていました。



ライ通りの北のはずれには、粉挽き小屋がありました。動力には馬を使ったようです。



ピック通りに移ると、三人姉妹の家がありました。

15世紀に建てられた商人の家の集合体です。現在ではホテルになっています。



北の城門であるスール・ランナ門までやってきました。



スール・ランナ門の脇の建物は、海洋博物館になっています。



スール・ランナ門の脇には、太っちょマルガレーテと呼ばれる砲塔が設けられています。

太っちょマルガレーテは、街の最も重要な出入り口を守るため、1529年に造られた直径24m、壁の厚さは4.7mにも及ぶ砲塔です。砲塔の役割が終わった後は兵舎や監獄として使われ、囚人の食事を切り盛りした太ったおかみさんの名前から「太っちょマルガレーテ」と呼ばれるようになりました。



外側から見たスール・ランナ門。タリンの小紋章が飾られています。



目的の旧市街の北端まで歩きましたが、聖ニコラウス教会でのオルガンコンサートを聞くため、急いで戻りました。少し遅れましたが、なんとか聞くことができました。



オルガンコンサートが終わってから、街歩きをもう少し続けることにしました。



トームペアの丘の下を北に向かうと、市街地の北西に続く城壁が現れました。





この塔は、修道女の塔と呼ばれ、ここからも城壁に上がることができます。



まだ開いていたので入場しましたが、修道女の塔はハトのねぐらになっており、糞のために異臭がしていました。観光客も、ここにはあまりこないようです。



北西の城壁の眺め。



キリスト変容教会の眺め。



歩き疲れて、ラエコヤ広場に戻ってきました。



夕食には少し早い時間でしたが、足も疲れたので、ビア・ホールで一杯飲むことにしました。



時間が早いため、店内はがらすきでした。大ジョッキのビールとソーセージで腹ごしらえをしました。



ピック・ヤルク通りを通ってトームペアへ。この道は何度通りましたかね。



前日、じっくりと見なかったデンマーク王の庭にやってきました。



1219年、ローマ教皇とリヴォニア司教が呼びかけた北方十字軍に参加したデンマーク王・バルデマー2世は、エストニアに上陸して土着の首長たちとの戦いを開始しました。バルデマー2世は、トームペアのの砦をなかなか落とせず、敗色が濃厚になってしまいました。王は、最後は神頼みしかないと、神に祈りを捧げました。すると空から赤地に白十字の旗が舞い降りて来て、それに鼓舞された彼らは戦いに勝つことができたといいます。その旗は、のちにデンマーク国旗となりました。

しかし、これはあくまで伝説であり、デンマーク政府は、13世紀初頭にローマ法王が十字軍の標としてクロスを授けたものが由来だと説明しています。

エストニアの観光で、デンマークの国旗について語っているのも、不思議な話ですね。



ホテルに一旦戻って、夜になってから夜景見物に出かけようかと思っていたのですが、小雨が降ってきてしまったため、タリン観光は終わりになってしまいました。

バルト三国の首都は、それぞれの魅力がありましたが、中世都市としての魅力ではタリンが一番でした。

翌日は、フェリーでヘルシンキに戻ることになります。

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