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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 ウンム・カイス

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マダバの見学を終えてからアンマンに移動しました。アンマンでは、ル・メリディアン・ホテルに二泊し、周辺の観光を行うことになりました。

6日目は、ヨルダン北部のウンム・カイスをまず訪れました。北上してヨルダン第三の都市イルピッドを過ぎた先で西に向きを変えました。もう少し北上を続ければシリアとの国境になります。その国境を越えてシリアに入れるようになるのはいつになるのでしょうか。



ウンム・カイスは、ローマ時代にデカポリスの一員として栄え、新約聖書にはガダラと呼ばれて登場する、古代都市の遺跡です。デカポリスとは、ガリラヤ湖南方のヨルダン川両岸に位置するパレスチナにおけるギリシアの10の植民地の町の総称です。



丘の上に遺跡が広がっています。



柱が並ぶのが見えています。



石垣の間に入場口がありました。



中に入ると、ローマ劇場が現れました。ここは、西劇場と呼ばれ、ウンム・カイスにはもう一つ北劇場がありました。



小ぶりですが、整った形をしています。ローマ時代の遺跡には、劇場が必ず見られますね。



西劇場の隣には、バシリカ・テラスがあります。



黒玄武岩の柱が印象的です。



白石灰岩の柱が並ぶのは、教会の中庭の柱廊だったようです。



モザイク状の床も一部残されていました。



バシリカ・テラスの奥には、展望台が見えていました。



バシリカ・テラスの下には、ローマン・ロードが続いていました。



展望台からは、ガリラヤ湖を眺めることができました。

ガリラヤ湖とガラダは、マタイの福音書の「ガラダの豚」の逸話で有名ですね。

ガリラヤ湖付近の布教を行っていたイエス・キリストは、舟でガリラヤ湖を横断し、ガダラ人の地についた。レギオンという悪霊に憑かれて凶暴になった人が墓場から出てきて、イエスを迎えた。イエスが、とりついた人から出ていくように悪魔に命ずると、豚に乗り移ることを許してくれと願った。悪霊が豚に乗り移ると、豚の群れは崖を下って、ガリラヤ湖で溺れ死んだ。この事件がガダラ人の地に広まると、イエスは、恐れられてガダラ人の地から追い出された。

キリスト教信者ではないので、布教に失敗したということ以外に、この逸話をどのように解釈するべきなのかは判りません。

なお、「ガダラの豚」は、中島らもの小説のタイトルにもなっています。まだ読んでいないので、いずれ読んでみましょう。



ガリラヤ湖の右手に広がるのは、ゴラン高原です。イスラエル、レバノン、ヨルダンおよびシリアの国境が接する高原で、イスラエルは第三次中東戦争以降、不当占拠を続けています。



展望台からのパノラマ写真です。



展望台からバシリカ・テラスを振り返ったもの。



西に向かって北劇場に出ましたが、ここはすり鉢状の斜面に僅かな遺構が見られるだけでした。



最後に博物館に入りました。



博物館には、遺跡で発掘された遺構やモザイクが展示されていました。



ローマ時代の彫刻でしょうか。





石でできた扉。



モザイク。







ウンム・カイスの見学を終えて、ジェラシュ遺跡に向かいました。

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