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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 シラーズ その4

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アリー・エブネ・ハムゼ聖廟に続いて、サアディー廟を訪れました。

サアディーは、1290年に亡くなった抒情詩人で、70歳を過ぎてからシラーズに戻り、代表作「ゴレスターン(薔薇園)」を書き上げました。



サアディー廟は、1864年に建てられました。



廟の中には墓石が置かれていました。



ガイドのアリさんが、サアディーの詩を朗読してくれました。「盗賊が隠者の庵に入ってめぼしい物が無いのでがっかりしていると、隠者が気づいて、自分が敷いていた粗末な敷物を投げ与えました。神の道に励む者は、敵の心も悩まさない・・・」というような内容だったようです。結構長い朗読で、内容は理解できませんでしたが、ペルシャ語の響きを味わうことができ、イランの人々がペルシャ語に誇りを持っていることが判りました。



廟の壁は美しいタイル装飾で飾られていました。



花と鳥が描かれており、詩人に相応しい絵柄です。



これは詩の一節でしょうか。



前庭の階段を下りると、小さな池が設けられていました。カナートと呼ばれる地下水路で水が導かれているようです。なぜか、魚が泳いでいました。



続いて、クルアーン(コーラン門)へ。



街の北東にあり、エスファハーンやペルセポリス方面から訪れる際の玄関口になっています。門の上部に古いクルアーン(コーラン)が治められていたので、この名前で呼ばれています。



街の外側からの眺め。



コーラン門の装飾。



コーラン門の脇には、14世紀のイランの詩人のハージュー・ケルマーニー像が置かれていました。

ペルシア語圏において、ハージュー・ケルマーニーは、オマル・ハイヤーム、ハーフェズ、サアディーと並ぶ四大詩人の一人に数えられるようです。

この中で、以前から名前を知っていたのは、オマル・ハイヤームだけですが。



さらに、ハーフェズ廟を訪れました。



丸屋根の東屋の中に墓石が置かれています。



廟を見学しようとすると、子供たちの一団がやってきました。



子供の写真撮影会になってしまいました。



服装も個性的で、親が子供に気配りをしていることがうかがえます。



さて、ハーフェズ廟です。1935年にフランス人建築家がペルシャの伝統をふまえて設計したものです。



ハーフェズは、1325年から1389年の生涯のほとんどをシラーズで過ごし、酒や音楽についての詩を多く残し、それらは比喩であって、神への愛や信仰心を詠ったといいます。イランでもっとも偉大で、敬愛されている抒情詩人と言われています。コーランを全て暗唱できることから「クルアーンの暗唱者」という意味でハーフェズと呼ばれています。

墓石には、ハーフェズの詩が刻まれています。



廟の周りは庭園になっており、ハーフェズの詩を朗詠していました。

シーラーズは詩人等に愛された都市で、「薔薇と詩」で知られた芸術や文化の中心地であったことが判りました。

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