入口から見て正面の壁には、三面の像が彫り込まれています。
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中央には、シヴァ三面上半身像が飾られています。左は、破壊の神、右は創造の神の顔をそれぞれ示しているようです。左右にいるのは、門衛神ドヴァラパーラ。
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右側にあるのは「ガンガを導くシヴァ神」。シヴァ神はガンガーを頭で受けており、脇には妻のパールヴァティー(結婚後なので、左に立っています。)左下で跪いているのは、賢者バギーラタ。
かつてガンガー(ガンジス川を神格化した女神)はヴィシュヌ神の足の指から流れ出て、天界にあるブラフマーの町の周囲を周っていました。賢者バギーラタは、誤ってカピラ仙の怒りにふれ焼き殺された祖先の霊を浄化するために必要なガンガーの聖水を地上にもたらそうと、ヒマラヤ山中で修業を積みました。ガンガー女神はその願いを受け入れましたが、天界から地上へ落下するガンガーの奔流を受け止められるのはシヴァ神のみであると伝えました。バギーラタはカイラス山に赴きシヴァ神に祈りを捧げ、この願いは聞き届けられました。シヴァ神は地上に落下するガンガーを豊かな髪で受け止め、ヒマラヤ山中に注ぎました。バギーラタの先祖の遺灰はその水で浄化され、霊は天国へ昇ることができました。それ以来、ガンガーは聖なる川として地上の人々に恵みをもたらし続けているとされます。
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脇の門衛神ドヴァラパーラ。
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「両性をもつ神アルダナリスヴァラ」。男らしさと女らしさを兼ね備えた男女両性の神で、シヴァ神(右半身)とその妻パールヴァティー(左半身)の合体した姿だと言われます。牛に腰を下ろしているので、姿を変えたシヴァ神であることが判ります。
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左半身は、豊かな胸を持ち、鏡を持っています。
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東南面には「カイラサ山の平和な家庭」が描かれています。シヴァ神の左にはパールヴァティーが座っています。
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東北面には「怪力の魔王ラーヴァナがシヴァ神の座るカイラサ山を持ち上げようとする場面」が描かれています。
ラーヴァナは、叙事詩「ラーマーヤナ」に登場するラークシャサ(羅刹)の王で、ランカー島(セイロン島)を本拠地としてラークシャサ族を治めていました。10の頭、20の腕と銅色の目、月のように輝く歯と山のような巨体を持ちます。かつて傲慢さゆえにランカー島を追われたラークシャサ族の再興を期して、千年のあいだ苦行に励み、10ある頭を1つずつ切り落として火にくべるという荒行を行いました。最後の1つを切ろうとしたとき、ブラフマー神に認められ、「神仏に負けない」という絶大な特権を得ました。力を手に入れて増長したラーヴァナは、シヴァ神に挑んで、シヴァ神の住むカイラス山を揺らしました。ラーヴァナは罰せられますが、シヴァ神に許された際チャンドラハース(月の刃)という剣をもらいました。
ラーヴァナは、征服戦争に乗り出して三界中を荒らしまわり、多くの王や聖仙、半神たちから人妻や娘を奪ってランカーに連れ去りました。こうした行為によって、神々はヴィシュヌ神に助けを仰ぎました。ヴィシュヌ神はアヨーディヤーの王子ラーマとして転生し、ラーヴァナを討つことを約束しました。ラーマが結婚したシーターが攫われたことから起きる、ラーマとラーヴァナの間の戦いがラーマーヤナで物語られています。
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壁に沿って一周したので、シヴァ神の聖堂を見学しましょう。
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聖堂は四方に入口が設けられ、その両脇には門衛神ドヴァラパーラが飾られています。
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中には、リンガが置かれています。リンガは、男性器の形をしており、シヴァ神の象徴になっています。その下には女性器を象徴するヨーニが置かれています。
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東の中庭の南にも、別の石窟があります。
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なお、この中庭が以前の正規の入口で、ここから入るとリンガが置かれた聖堂は正面に位置することになります。
なお、中央の円の中心に、エレファンタ島の名前の由来になった象の石像が置かれていたようです。
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ここの聖堂もシヴァ神を祀っています。
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中にはリンガが置かれていました。
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聖堂入口に置かれた聖獣の石像。ライオンでしょうか。狛犬の原型といっても通りそうですね。
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脇の壁に描かれているのは、「踊るシヴァ神 ナタラージャ」でしょうか。
この石窟は、壁や柱など、彫刻の施されていない所も多く、未完成に終わったようです。
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石窟の見学を終えて山を下り、再びミニSLで船着場に戻りました。
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ムンバイへ戻る途中の海上は、往路よりも碇泊する船が増えていました。
これでムンバイの見学は終わりで、アウランガバードに移動するこために空港に向かうことになりました。遅い昼食を途中でとる予定でしたが、時間が押しているため、空港のレストランでということになりました。結局飛行機は1時間半の遅れとなり、ハードスケジュールの二日目がさらにきついものになりました。

中央には、シヴァ三面上半身像が飾られています。左は、破壊の神、右は創造の神の顔をそれぞれ示しているようです。左右にいるのは、門衛神ドヴァラパーラ。

右側にあるのは「ガンガを導くシヴァ神」。シヴァ神はガンガーを頭で受けており、脇には妻のパールヴァティー(結婚後なので、左に立っています。)左下で跪いているのは、賢者バギーラタ。
かつてガンガー(ガンジス川を神格化した女神)はヴィシュヌ神の足の指から流れ出て、天界にあるブラフマーの町の周囲を周っていました。賢者バギーラタは、誤ってカピラ仙の怒りにふれ焼き殺された祖先の霊を浄化するために必要なガンガーの聖水を地上にもたらそうと、ヒマラヤ山中で修業を積みました。ガンガー女神はその願いを受け入れましたが、天界から地上へ落下するガンガーの奔流を受け止められるのはシヴァ神のみであると伝えました。バギーラタはカイラス山に赴きシヴァ神に祈りを捧げ、この願いは聞き届けられました。シヴァ神は地上に落下するガンガーを豊かな髪で受け止め、ヒマラヤ山中に注ぎました。バギーラタの先祖の遺灰はその水で浄化され、霊は天国へ昇ることができました。それ以来、ガンガーは聖なる川として地上の人々に恵みをもたらし続けているとされます。

脇の門衛神ドヴァラパーラ。

「両性をもつ神アルダナリスヴァラ」。男らしさと女らしさを兼ね備えた男女両性の神で、シヴァ神(右半身)とその妻パールヴァティー(左半身)の合体した姿だと言われます。牛に腰を下ろしているので、姿を変えたシヴァ神であることが判ります。

左半身は、豊かな胸を持ち、鏡を持っています。

東南面には「カイラサ山の平和な家庭」が描かれています。シヴァ神の左にはパールヴァティーが座っています。

東北面には「怪力の魔王ラーヴァナがシヴァ神の座るカイラサ山を持ち上げようとする場面」が描かれています。
ラーヴァナは、叙事詩「ラーマーヤナ」に登場するラークシャサ(羅刹)の王で、ランカー島(セイロン島)を本拠地としてラークシャサ族を治めていました。10の頭、20の腕と銅色の目、月のように輝く歯と山のような巨体を持ちます。かつて傲慢さゆえにランカー島を追われたラークシャサ族の再興を期して、千年のあいだ苦行に励み、10ある頭を1つずつ切り落として火にくべるという荒行を行いました。最後の1つを切ろうとしたとき、ブラフマー神に認められ、「神仏に負けない」という絶大な特権を得ました。力を手に入れて増長したラーヴァナは、シヴァ神に挑んで、シヴァ神の住むカイラス山を揺らしました。ラーヴァナは罰せられますが、シヴァ神に許された際チャンドラハース(月の刃)という剣をもらいました。
ラーヴァナは、征服戦争に乗り出して三界中を荒らしまわり、多くの王や聖仙、半神たちから人妻や娘を奪ってランカーに連れ去りました。こうした行為によって、神々はヴィシュヌ神に助けを仰ぎました。ヴィシュヌ神はアヨーディヤーの王子ラーマとして転生し、ラーヴァナを討つことを約束しました。ラーマが結婚したシーターが攫われたことから起きる、ラーマとラーヴァナの間の戦いがラーマーヤナで物語られています。

壁に沿って一周したので、シヴァ神の聖堂を見学しましょう。

聖堂は四方に入口が設けられ、その両脇には門衛神ドヴァラパーラが飾られています。

中には、リンガが置かれています。リンガは、男性器の形をしており、シヴァ神の象徴になっています。その下には女性器を象徴するヨーニが置かれています。

東の中庭の南にも、別の石窟があります。

なお、この中庭が以前の正規の入口で、ここから入るとリンガが置かれた聖堂は正面に位置することになります。
なお、中央の円の中心に、エレファンタ島の名前の由来になった象の石像が置かれていたようです。

ここの聖堂もシヴァ神を祀っています。

中にはリンガが置かれていました。

聖堂入口に置かれた聖獣の石像。ライオンでしょうか。狛犬の原型といっても通りそうですね。

脇の壁に描かれているのは、「踊るシヴァ神 ナタラージャ」でしょうか。
この石窟は、壁や柱など、彫刻の施されていない所も多く、未完成に終わったようです。

石窟の見学を終えて山を下り、再びミニSLで船着場に戻りました。

ムンバイへ戻る途中の海上は、往路よりも碇泊する船が増えていました。
これでムンバイの見学は終わりで、アウランガバードに移動するこために空港に向かうことになりました。遅い昼食を途中でとる予定でしたが、時間が押しているため、空港のレストランでということになりました。結局飛行機は1時間半の遅れとなり、ハードスケジュールの二日目がさらにきついものになりました。