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Channel: さすらい人の独り言
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さすらいの風景 キルギス民族音楽

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ビシュケクの夕食では、キルギスの民族楽器の演奏が行われました。

私たちグループが入った部屋の壁には、民族楽器のコムズが飾られていました。



楽団「ダズダン」の四名が演奏してくれました。部屋が狭いので、演奏する方も、聞くほうも少々窮屈です。



最初に「シャットク(盛り上がる曲)」が演奏されました。

演奏楽器の紹介ですが、左から「チョポ・チョール」という土笛。



二人の女性が演奏するのは、キルギスの代表的民族楽器のコムズ。三弦で、指ではじいて演奏します。



「ドブルバ」と呼ばれる片面太鼓。



続いて「オースコムス」という寂しいという意味の曲。

小型の土笛に持ち帰られていました。



「オオズ・コムズ」という口琴が演奏されました。





次の曲では、「シビズギ」と呼ばれる横笛が用いられました。



やはりキルギス音楽では、三弦の琵琶であるコムスが演奏の主役になっています。



琵琶の原型は、サーサーン朝ペルシア遺跡から出土する工芸品の浮彫り装飾などに見られる「バルバット」と呼ばれる楽器とされています。古代においては、四弦系(曲頚琵琶)と五弦系(直頚琵琶)がありましたが、後者は伝承が廃絶し使われなくなってしまいました。正倉院の宝物として有名な「螺鈿紫檀五絃琵琶」は、五弦系(直頚琵琶)の唯一の残された現物になっています。



コムスを伴奏にした歌もすてきでした。

演奏曲目のリストを書くと

1 シャットク(盛り上がる曲)
2 オースコムス(寂しいという意味)
3 キルギスの女性の歌
4 タンブルブル(鳥の名前、女性二人で演奏)
5 羊の世話をしていた時の歌
6 あなたへ
7 上を向いて歩こう
8 馬に乗ってゲームをする時の曲
アンコール 子守歌

最後の子守歌は、こちらからリクエストしたものですが、日本の子守歌にも似た優しく美しい曲でした。もし、この楽団の演奏を聴く機会があったらリクエストしてみると良いですよ。



「馬に乗ってゲームをする時の曲」では、馬が疾走する情景を表現するために、胴をたたいて蹄の表現を行ったり、楽器の持ち方を変えての曲弾きが行われました。











楽器を肩に背負ったり、前に倒して演奏を行いました。このような曲弾きで思い出すのは、敦煌壁画に描かれ、敦煌の街のシンボルになっている「反弾琵琶像」です。現在では、琵琶を背中に回しての演奏を行える者はいなくなっているといいますが、この人達ならできそうに思えます。

敦煌の反弾琵琶像はこちら



コムスの演奏は、ギルギスでは一般的なもののようで、二日目のビシュケクにおける夕食のレストランで見かけました。



ただ、やはりポピュラー音楽の音楽の方が人気が高いようで、大音量の音楽でプロのダンサーをまじえて踊っていました。

この写真を撮るために近づいたところ、おばさんにつかまって、しばらく一緒に踊らされてしまいました。

ともあれ、キルギス人は音楽と踊りが好きなようです。

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